みんなでつくるプールでの大型アート作品~ぼくたちのうたがきこえますか2022
作品「ぼくたちのうたがきこえますか」シリーズは、神奈川県逗子市在住のアーティスト松澤有子が逗子市で開催される「逗子アートフェスティバル(ZAF)」で2018年より毎年展示され進化を続けてきたシリーズ作品です。2022年は市営プールを舞台にZAF2022プレ企画「海のほとり美術館」として展示されます。観覧者は、プールに浮かべられたビニールボートに乗り込み、水面を流れながら作品を鑑賞します。その視線の向こうには、富士山を背景にした雄大な相模湾を臨むことができます。
●大型のインスタレーション
逗子の市民にとって、子どもの頃から通い、夏の思い出となっている海のほとりにある市営プール。このプールを舞台に、25mプールの中に巨大なインスタレーションを展示します。普段見慣れた風景が変化し、16日間のモニュメントとして記憶してもらいたい。そして、その言葉だけでない体験を、逗子のことや、私たち人間の生活を暖かく包んでくれている海について、心のどこかに残しておいてほしいと願っています。
●市民と一緒につくるアート作品
作品制作は一般公開され、子どもから大人まで、これまで延べ3000名もの逗子市民を中心とした参加者が共に作品に関わってきました。2022年5月に展示される「海のほとりの美術館」は5年間の軌跡を経て完成する大型インスタレーション作品であり、松澤と市民との協働制作の集大成となります。美しい相模湾が見渡せる市営プールを舞台に、「海のほとりの美術館」がその姿を披露します。
●作品を通して、海の、自然のサステナビリティに思いを馳せる
「ぼくたちのうたがきこえますか」の素材は、主にプラスチックが使用されています。それは、展示場所であり松澤の生まれ育った地でもある逗子の海岸で拾われた海洋プラスチックや逗子市の全ての小学校から集められたペットボトルのキャップです。
作品制作の過程で廃棄物を出来るだけ少なくする、そして終了後は家具素材に再利用をしていきます。作品の制作を通じて、地域の大切な自然資源である海の状況を考える、そんな一面も作品の魅力のひとつとなっています。